パソコン音楽クラブ / Night Flow
DTMユニットパソコン音楽クラブのセカンドアルバム。アートワーク全部つぼ。
tofubeats経由で知った記憶がある。tofubeatsの「RUN」が発売されたあたりにファーストアルバムの「DREAM WALK」が出たんだっけ... 曖昧で覚えていない。
ファーストは例のごとくSpotifyで視聴して、これはやばいぞと衝撃を受け応援の意味を込めてレコードを購入した。今作もレコードプレスされるのかな。
機材オタクでも音楽理論オタクでもないため、どこがどう凄いか、強いかなどは文章で表現できない。悲しい。ただ、ノスタルジー、レトロ・モダン、自販機ばかりのパーキングエリア、都市近郊ニュータウン、ショッピングモール、これらの語句にピンと来たら聴いて損はないと思う。
今作「Night Flow」は『夜から朝までの時間の流れにおける感覚の動き』を描いているらしい。深夜にはなかなか思い入れがある。去年の夏、あまりに不眠の夜が続いて耐えきれなくなり王子公園からポートタワーまで散歩したことがある。深夜2時に家を飛び出し、千円だけポケットにつっこんで、何も考えず歩き続けた。昼間騒がしかった街並みは夜の黒と街灯、ビル、高速道路の穏やかな明かりに染め上げられ、なんだか特別に思えた。そこは間違いなく日常からかけ離れた非日常であり、自分の感覚もいつもと違うセンスを纏っていたように感じる。
今作はまだ聴いていないので、ただいまからリアルタイムで感想を打ち転がしていく。さっきも言ったように、ここのコード感、イイね!! d(^_^o) な話はまったくできない。反省します...
全9曲。
1. Invisible Border(intro)
日付が変わる頃にやってる天気予報のBGMみたい...スクリューされた意味を持たない誰かのボイスはvaporwave感あってかっこいい。アウトロでBPMが下がっていって、曲がドロドロに溶けていく感じはさながら夜から深夜に変わる境目のよう。
4つ打ちって心臓の鼓動みたいでドキドキする。繰り返されるシンセのフレーズは怪しい雰囲気を持ちながらも、なぜか気分が高揚してくる。小節の始まりごとに裏で鳴ってる音、なにかのサイレンみたいで、いけないことをしているような背徳感に包まれる。深夜の空気の流れは独特。
3. Yukue
ここで初めてボーカルが入る。Spotifyにはクレジットされてないけどこの人は誰だろう。1, 2曲目と打って変わって、ガラリと神秘的なイメージになる。
『遠い場所まで歩き続けて』
このアルバムに存在している誰かもどこか夜の街を歩き回っているのだろうか。だとすると『行方』はどこに...
4. reiji no machi(vo. イノウエワラビ)
来た~~~この曲はMV公開されてるんだけども、MV内のすべてが完璧で号泣してしまいました... 前作における「Inner blue」的なアッパーチューンな歌モノ、最高~~~ ライブで聞いたらまた号泣してしまう(;_;)
『午前0時世界は僕らだけを残して』『口ずさむそれだけで蘇る指の温度まで』
深夜って世界に置いてかれた気分になりますね。時間がただ流れていくことにさえ動揺してしまう。でも深夜にふと頭の中に流れてくる音楽、口ずさんでしまう音楽があって、それが命綱のように世界と自分をつなぎとめてくれる。この曲もそんな音楽な気がする。
5. Motion of sphere
直訳すると『球体の動き』球体? 何?
深夜と聞いて思い浮かぶ球体といえば、月、高速道路の明かり...アレ! 全然思い浮かばない。
地球もそういや球体だった。そう捉えるとこの曲からそこはかとなく感じるユニバース感も納得できるけど、絶対間違ってそう。
6. In the eyes of MIND
いよいよ6曲目、夜明けももうすぐ。電子木琴みたいな音すごい落ち着く。
なにか物思いにでもふけっているような曲名、曲の雰囲気もそれに近い。
1分半ほどの短い曲。書いている今は昼なのに、ああ~もうすぐ朝来ちゃうなぁって思った。
7. Time to renew(vo. イノウエワラビ)
イノウエワラビ2曲目。reiji no machi より落ち着いて、しっとりした曲調。
盛り上げ部分で入り込んでくるシンセベースのスラップ音、パ音の音だ~~~! 今作も気持ちいいです。長い夜を終える前と後では少なからず違う自分なんだろうな。人間は夜には勝てない。
パ音が作る歌入りの曲、どれも心の大事な部分をぎゅっと掴んで離さない。センチメンタル過剰でとても沁みる。
曲後半で一瞬音が止まって、サビにつながっていく場面があり『離れてしまう 終わってしまう でも次の夜にまた出会えるよ』のフレーズがよりグッときた。また会いたい。
8. Swallowed by darkness
7曲目のアウトロからそのままイントロにつながる。環境音系のアンビエントみたい。なにかの鳴き声や、なにかが動き始める音。午前4時くらいに新聞配達のカブが遠くで走り回る音がかすかに聞こえる時があるんだけれど、そんなシーンを思い出した。
9.hikari(vo. 長谷川白紙)
イントロ軽快すぎて笑った。長谷川白紙かっこいい声してる。独特でひっかかりがあって、綺麗な声。曲名からしてもう朝になったのかな、朝が来た時ってたしかにこんな曲の気分になる。朝日がだんだん街に差し込んで来て、隙間を埋めていくあの感じ。
1曲目の不信感あふれるインストからこの曲で〆るの最高です。多幸感が凄い。
聴き終わった。
今作も一生リピートします(;_;)
9/7の大阪リリースパーティ楽しみです。